Cell 139, 791-801 (2009).膵臓の管形成機構.
管は上皮組織にできるもので,上皮組織を構成する細胞は apico-basal polarity (日本語はあるのか?頂上部-基部極性?),apical と basal の軸がある.basal 面は基底膜と接している面,apical 面は細胞にも基底膜にも接していない面.あと,となりの細胞に接している面は lateral 面.で,複数の細胞からなる管では,apical 面は管の内腔にあたる.したがって apical-basolateral という分け方もよくされるね. さて.本論文の話.膵臓の管形成においては,Rho-GTPase family のひとつ Cdc42 のノックアウトマウスを解析し,一細胞単位では apico-basal の極性はできるけれど,apical が統一されないことを見出している.つまり細かい管状のものはできるけれど,おおきな太い管ができない. 管形成の話は 以前も触れたことがあるけれど,このコンテクストでは apical 面は apical membrane proteins なんかを持つ細胞内の分泌小胞が細胞同士の接着面に集まっていくことによってできる.それに続いて,複数の小胞由来の内腔が統合されていく. Cdc42 は二段階目,統合に必要ということだ. また Cdc42 は,内分泌細胞か腺房細胞かという発生運命の選択にも重要.つまり形態形成と運命決定という二つの面からの Rho-GTPase の重要性が明らかにされている. 共焦点画像からの 3D 再構築をした図は壮観.
by LIBlog
| 2009-12-10 15:58
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