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「ささめきこと」

ささめきこと 6巻 (いけだ たかし)

作品中で描かれる恋愛が ほぼすべて百合 (「男の娘」も百合だとすれば,の話だが) という百合マンガ「ささめきこと」6巻を読んだ.
今巻では,いくつかの百合関係の中でも本線というべき風間・すみちゃんが,大きな山場を越えて,急速に接近しつつある,という展開が描かれている.とは言っても,まだこの二人がうまくいくのかどうかは分からないけどね.しかしそれでも,すれちがいや我慢がず~~~~っと続いてきただけに,ようやく結ばれそうな二人を見ていると,いやーよかったよかった,と思わされる.

……しかし,この二人の間の大きな壁を越えるきっかけになっているのが,友人から「あんたら実は両想いだろ」みたいな発言だった,というのはどうなんだろうなあ.
その一言でいいんだったら,ここまで関係がこじれるまえに言っときゃよかったんじゃないの? と思ってしまう.
いや,次巻を読んでみないと分からないんだけど,もしこのまま本線の二人がうまくいったとしても,それは自力でつかんだ,たぐり寄せた結果じゃないんだよね.
まあ,この友人からの一言を「引き出せる」くらいには自力で前に進んでいるんだけど.

……自力で前に進んでいるのは,たとえば巻末の読みきり「神様とダンス」とか,同時発売の 「プラトニック・ホーム」 中の表題作「プラトニック・ホーム」あたりはそういう作品になっているから,作者が描きたくないってわけじゃあないと思うんだけどなあ.

いや,ま,でも次を見てみないと分からない.個人的には今のところ,そう思うってだけだ.

余談だが「プラトニック・ホーム」は,あー作者の人はこういうふうに人間を見ているんだなー,と思って面白かった.ふだんは意識しない,表に出そうとしない陰の部分をじんわりと感じとる人なんだなー.
あまり目立たないけど「ささめきこと」にもそこらへんは出てるように思う (「プラトニック・ホーム」の表紙絵は「ささめきこと」の一巻冒頭のカラーだよねこれ) .

by LIBlog | 2010-03-28 22:30 | マンガ・本
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