ガルシアPによる「とのばな」シリーズ,待望の第四話が投稿されている.
以下,内容に触れた感想を. ネタバレ込みなので注意してください.
回想シーンが,この上なく似合う作品だと思う. 前回のような燃える展開もいいけれど,今回の「事務員」が昔のことを思い出して語るシーンはそれに勝るとも劣らず,いい. このシーンには,この作品のあふれんばかりの魅力がつまっている. 事務員が,プロデューサーが,言葉を交わしながらそれぞれに何を思っているのか. 作品中では,その心情は一切語られない. 説明されない. かわりに語られるのは,言葉,風景,表情,そして感覚. それが二人の心情を想像させる. 彼はきっと,こう思っている. 彼女はきっと,こんな想いに包まれている. その想像が正しいか,正しくないかは分からない. 彼や彼女自身にも,自分の心情は捕まえきれていないかもしれない. そんな風にも考えたくなるシーンである.
実のところ私は,「初回コメ消し推奨」タグが付いているのを知っていながら,何度かコメント付きで視聴していた. 5回目くらいだっただろうか,文章だけに集中して鑑賞してみて,そして初めて,今まで取りこぼしてしまっていた いくつかのことに気づいた. そのときようやく彼と彼女の心情に思いを巡らせることができたように思う. なるほど,確かにこれはコメ消し推奨だ. ぜひテキストだけに集中して,文章と文章の間のつながりや行間に意味を読み取りたい. じっくり何度も味わうことのできる,それだけの濃さがある作品だと思う.
今回,作品自体も楽しめたが,もうひとつ嬉しかったことがある. 彼ら彼女らの「これから」だけでなく,「これまで」も,今後さらに語られるかもしれないということだ. これまでにも本シリーズには「▲」のタグが付けられているが,実際には「社長」がどんな背景を持ち,どういう行動をとり,どういう結果を得たのか,そしてそれは本人にとってどういう意味を持っていたのか,そういったことは,いままでにほとんど語られていない. 第一話がほぼ唯一「社長」の「これまで」を知ることができる回になっているが,彼の行動やセリフには,まだ真の意図が読み取れないものが残されているように思う. 彼は「▲」と呼ばれるにふさわしい人物である. そのことはもう疑問の余地はない. しかし,それはどう「▲」のか? 最初からそうだったのか? あるいは,第一話で「語られなかったこと」を通じて,少し変わったところがあるのか? 今後,シリーズの中で「これから」のことは語られても,こうした「これまで」のことが語られることは ないかもしれないと思っていた. でも,そんなことはなさそうだ. どうやら物語に期待することがひとつ増えたようである.
by LIBlog
| 2011-04-27 22:14
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