石田あきら先生のマンガ版「まおゆう」1巻を買ってきました.
いやー,堪能しました. 作品世界そのものにも入り込んで楽しめますが,ほかにも楽しみ方がありますね,まおゆうシリーズは. というのは,まおゆうファンの方の多くがそうだと思いますが,私も例にもれず,いろんなバージョンのまおゆうをこれまで何度も読んでるんですよね. 最初は2chまとめサイトで読み. 魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」目次 そしてろんちさんの動画版. ゆかいなまおゆう. まんが「ゆかいな魔王と勇者」 満を持しての書籍版. そしてネットでも読める浅見よう先生のマンガ版. まおゆう魔王勇者 | ファミ通コミッククリア マンガ版でもうひとつ,ろんちさんの4コマ. まおゆう4コマ「向いてませんよ、魔王様」 私が追いかけられているのは,今のところ以上なんですが,まだ他にもあるみたいです. ドラマCDなんかもあるんでしたっけね. で,こんな感じで同じ作品の違うバージョンを何度も何度も読んでると,どうしても構成がー,演出がー,みたいなところに目がいってしまうんですよね. ふだん全然そんな批評的に読んだりしないんですけど. というわけで,石田あきら先生のマンガ版で感じたことなのですが,絵の迫力がすごいです. 目に力があって,女騎士や青年商人の登場シーンが非常に印象的になっています. また,この巻のクライマックスの一つが,メイド姉妹との出会いの場面,彼女たちとメイド長との丁々発止のやり取り (?) だと思いますが,メイド妹の叫び,メイド長の冷たい視線も心に残ります. こうした絵の力強さは,石田先生のバージョンでは突出しているように感じました. あと,各シーンの描き方のこまかい違いなんかも当然目につくわけですが,ここらへんは好みの問題になってくるでしょうね. 小説版で頭の中に思い浮かべたシーンとどれくらい一致しているか,それを超えてきているか,みたいなところで好みの違いが出てきそうです. 私の好みでは,前述のメイド姉妹とメイド長とのやりとりを,できればもうちょっとタメてじっくりと見せて欲しかったなあ,と感じてます. メイド姉妹の,とくに姉の方の,心境の移り変わりや,「何かに気づいた」感じ,みたいなのが見たかったなあ,とか. 逆に,女剣士との再会の場面は,おお,これはすばらしいなあ,と思いました. ここは今巻でも特に良かったシーンですね. というのは,女騎士の方は勇者の眼前で,再開の驚きや置いていかれた怒りなんかをあらわにしていますが,喜びの表情を見せないんですよね. 再開後も事務的な話に終始し,勇者たちが去ってからうれしさをかみしめる. 彼女の (私が勝手に読み取っている) ストイックさというか,耐え忍ぶ人というか,報われなさというか,見返りを求めぬ騎士道のかっこよさというか,そういった印象がこの描き方とぴったりと合致して,ああいいなあ,と思ったのでありました. まおゆうについては,今後も書籍版とそれを読んだ自分自身の印象をベースにして,さまざまなメディアミックスというか,スピンオフというか,いろいろな作者の方の描き方の違いみたいなものを楽しんでいけたらいいなー,などと思っているのでありました.
by LIBlog
| 2011-09-12 21:58
| マンガ・本
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