初代ぷよへの異常な愛情 または如何にしてあずささんは下を押すことを止めぷよぷよを愛するようになったか

ぷよm@s,part26からわずかに一月あまりで,part27が投稿された.


いやー,この展開に驚かない視聴者なんて,どこにもいないだろうなあ.

毎回毎回,闘ぷよパート驚きに満ちているってことは当然みんな予想しているわけで,まあ今回もビックリドッキリな展開があるんだろうなーなどとハードルを上げながら見るわけだけど,それでもなお度肝を抜かれるというのはねえ. なんなんだろコレは.

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感想記事や闘ぷよ解説などは毎度のことながら他の方々 (→Come sono bravo -wiki- - ぷよぷよ:ぷよm@s紹介ブログまとめ) にお任せすることにして,格納以下では今回スポットがあたった あずささんとその闘ぷよスタイルについて,part27を見ながら思いをめぐらせたことを徒然なるままに記してみたい.







<あずささんは,なぜ下を押さないのか?>

やよいの大躍進や律子さんの成長など印象的なできごとが多かったpart27において,それらを圧倒するほどの存在感を見せつけたのがあずささんであることに異論は多くないと思う. 下を押さないという条件下ならば,トップクラスの実力をもつ律子さんすら全く寄せ付けないってことを証明したわけだからねえ.

ただ,そうは言っても あずささんは対戦が強い,とは言いがたい. なにせ初手を除いて決して下を押さないのだから. これまで繰り返し描かれてきたように, 「積み込みのスピード」 がきわめて重要な意味をもつぷよぷよの対戦で,その闘い方で勝ちをつかむことは難しい. もちろんあずささん本人も分かっているだろう. それでもなお,あずささんはかたくななまでにプレイスタイルを変えようとしない.

それはなぜだろうか? たとえばpart18の伊織ぐらいならば,少しでも下を押してプレイしていれば,あずささんが遅れをとることはなかったのではないか. それなのにどうして,あずささんは下を押さないのだろう?

同じpart18で,あずささんは答える. ゲームのスピードが早すぎると.

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少しでも時間を稼ぐために自由落下させている,というわけだ. これが あずささんが下を押さない理由なのである. ……と話を終わらせることもできるけれど,そこで終わらずにもう少し考えてみたい. これまでのあずささんの言動を思い返してみると,同じこの言葉の中に二つの違った理由を読みとれるのではないだろうか.

ひとつは,得意・不得意の問題. たぶんあずささんは,短い時間の中でものを考えるのが苦手なのだ. 急かされると頭の中が真っ白になってしまうのだ.

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伊織との対戦では,おじゃまぷよが積み上がって考えられる時間が短くなったとき,あずささんの思考はストップしてしまったことがわかる. あれほど多彩な積み方,掘り,すぐれた状況判断ができる あずささんが! これでは下を押しながら思考することが難しいのも無理はない.

もうひとつは,好悪の問題. あずささんはおそらく,許される限りじっくりたっぷりいろいろな組み方を考え,そして試してみるのが好きなのだ. それこそが,あずささんがぷよぷよに求めているものなのだ.

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part23で真に語りかけているように,あずささんはありうる限りさまざまな積み方を考えるのが好きなのだということがわかる. きっとぷよが接地しない限りあれこれと考え続けたいのだろう. 相手の積み方やプレイスタイルで,そのつど考えられる選択肢は新しく増えていく. そこで思考をパターン化し選択肢を切り捨ててスピードを追求することもできる. 勝つためにはそうしなければいけないのかもしれない. けれど,あずささんはたとえ遅くなってもひとつひとつの可能性を考えていくことが好きなのだろう. もしそうならば,持ち時間を自分から短くしてしまうような下押しなど,するはずもない.

初手に下を押すようになった理由もなんとなく分かるような気がする. 一手目に選択肢はさほど多くない. パターン化してしまうこともできるだろう. 考える楽しみがなければ,あえて下を押さない理由もない. ……というわけで最近は初手で下を押すようになったのだ,と考えられないかなあ.

そんなことを考えているうちに,あずささんは雪歩ややよいなみに,初代ぷよに対して異端な楽しみ方をしているんじゃないか,と思うようになってきた. ほかのアイドルたちは,結果を重視するか過程を重視するかはともかく,ぷよぷよというゲームの本来の……というか,ゲームを作った人たちが想定したであろう楽しみ方とでも言うべきか,それに忠実に楽しんでいる. 少なくとも 「勝負」 を楽しんでいる. だが雪歩はとにかく掘ること! いかに多くのおじゃまぷよを掘り進むことができるかが唯一の関心であり楽しみなのだ. まさかこんな楽しみ方を想定したゲームデザイナーはいないだろう. やよいは……まあ彼女にスポットが当たるのは次回だろうから詳細は省くけれど,やっぱり勝負とは別の次元の,異端な楽しみ方をしているのではないかと思う.

そして,あずささんもおそらくそうなのだ.

これまで私は,異端とはいっても あずささんは 「みんなで仲良くぷよぷよで遊ぶ」 ことが一番の楽しみで,そのために手加減しているんだとか,ランキング下位者を育てているんだとか,そんな可能性を想像していた. そういう要素はもちろんあるだろうけど,今回part27を見て,あずささんのぷよぷよの楽しみ方は,それとは別のところにあるんじゃないか,と思うようになったわけだ.

というわけで,「下を押さない」というあずささんのプレイスタイルがどのように確立したか,という問いに対しては,時間に迫られると考えられなくなるという欠点があるからであり,かつじっくり考えるのが好きだから,だと答えられるだろう. 自分の不得意なことを補い,好きなことを追求するために,あの独特のプレイスタイルが確立されていった……んじゃないかな.

余談だが,もしここまでの考えが正しいなら,飲酒でリミッターが外れる,というのはぷよぷよの能力がアップするわけじゃなくて嗜好が変化するだけなんじゃないか,という気もする. だって普段あまり下押しプレイは練習してないだろうからねえ. やってもいないことができるようになるもんかなあ. 苦手意識がなくなるってことはあるかもしれないけど.

不得意なことを補い,好きなことを追求するために確立したプレイスタイル,という意味では,雪歩のそれはあずささんのそれに非常に近い気がする. 雪歩は,練習してはみたものの,結局致死連鎖を組めるようにはなれなかったらしいことがpart24でほのめかされている.

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そして自分がぷよぷよに求めることは,掘り! 対戦では勝たなくても,とにかく掘り!

苦手なことと,好きなこと. 異端な二人の,それぞれ全然ちがうプレイスタイルが,似たようなふたつの要素からできあがっていったんだなーと考えると,面白いもんだと思う.

<「好き」ということのすごさ,そして初代ぷよのすごさ>

異端な楽しみ方をしている雪歩とあずささん. もともと下位にいたふたりのランキングの位置は,結局ぜんぜん違うものになってしまった. 雪歩はランキングを駆け上がり,あずささんはそのまま下位にとどまっている.

結果的に,雪歩のすごさはランキングを駆け上がったときに誰もが認めるところになったわけだけれど,あずささんのすごさは今回あきらかになるまで誰にも知られることがなかった. 律子さんが言うように,今回のトーナメント初戦が縛りのないものだったら,あずささんのすごさはずっと知られないままだったかもしれないと考えるとちょっと怖いものがあるが,あずささんは実はすごかったのだ.

雪歩は掘りが好きで,他のことはそっちのけでいかにうまく,いかに多く掘るかということばかりを楽しんでいた. そして,こと掘りにかけては律子さんや小鳥さん,Pといった最上位者ですら度肝を抜かれるほどの実力をつけるにいたった. あずささんはひたすらいろいろな積み方を考え,試してきた. そして,こと 「じっくりと時間をかけて積む」 という対戦では,最上位者の度肝を抜く実力を得ている.

あらためて思うのは, 「好きだ」ということがどれだけすごい結果を生むのか,ということと,初代ぷよというゲームのもつ包容力,そしてその研究の深さだ. 第三部以降,「勝つ」ということだけをとっても,どれほど多くのアプローチの仕方があるか,求められるものが変わってくるか,その視点の広がり方に目がくらみそうだった. そしてまたここに来て,じっくりと積むという条件ひとつで,まったく様相の異なる,底知れぬ深さを持つゲームが姿をあらわすことになった.

……もはや言い尽くされたことなのだろうけれど,もう一度言いたい. 作者はどんだけ初代ぷよが好きなのかと. ありとあらゆる角度からゲームを遊び倒し,味わい,それでもなお尽きせぬ魅力を放ち続ける初代ぷよというゲームと,それを極上の味つけで視聴者に示し続けてくれる介党鱈Pのマエストロぶりに,私はただひたすら驚きつづけるしかないですわな.

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いっぱい画像を抜いたけどぜんぶ顔を赤らめているシーンだった. 私の好みがはからずも明らかに……. そしてなんとpart27のものが一つもない! なんでだよ!

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by LIBlog | 2011-11-15 22:22 | 動画サイト関連 | Comments(0)
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