デコのおまわりさん 第四十七話

オホマス,第四十七話はすげー面白かったですね!


いや,もちろん今までもずっと,すげー面白かったですけど!

今回は,なんといってもまず冒頭の美希の台詞が見どころですね.千早と伊織に対する美希の理解は,少なくとも主たる幹部や同僚たちの間で彼女二人がどう見られているのかに対して示唆を与えてくれます.
とはいえ,美希の解説には,じつのところ私にとって納得しがたい部分が残るのですけれど.
それは具体的には,千早への評価に関する部分です.

美希は,千早に対し “ポートピア事件の経験を人間的成長の糧にすることができた” “自分の殻を打ち破ることができた” と評価します.官僚の扱う「法」は統治のためのものであって,ふつうの正義感覚とぴたりと一致するものではない.そもそも官僚や法律家にとっては前者こそが重要で,双方が対立する場面では前者を優先すべきものである,と.これは85点はもらえない回答でしょうけど…….

しかし,ではなぜポートピア事件が千早にとって自身の “殻を打ち破る” きっかけになったのでしょうか.
官僚にとっての法は正義感覚と一致するものではない,という気づき(というよりむしろ「回心」とか「コンバージョン」とか言うべきでしょうけど)は,そう信じない行動によって大きな失敗を犯すか,逆に信じる行動によって大きく成功するか,いずれかの体験がなければ為されないように思われます.美希の説明の中には,それがない.
まあ,そうは言っても美希とて千早とことさらにずっと親しくしてきたわけでもないでしょうし,多分に主観的な評価になっているというか,美希の中で勝手に補われている空白部分があるという可能性も高いでしょうけどね.

で,私としてはむしろ,かつて千早自身が言っていたように,ポートピア事件で「折伏」されて,自らの正義を曲げるような行動をとってしまった千早は,それが正しかったと思い込むために同じような行動を取り続け(て,それによって成功しつづけ)なければならなくなった,すなわち “犯罪者は同様の犯行を繰り返す” のだ,という理解のほうが腑に落ちます.新田さん,藤澤さんとの会話の場面で,原理原則に忠実だという千早の本質は当時から変わっていないんだなぁ,と思わされますし.

「過去に囚われる」ということは,この物語を動かす大きな要因ですね.それは,今回の連鎖殺人事件や北海道警の不祥事などの事件だけでなく,通常の意味でのバランス感覚を失った,あるいは失わざるを得なくなった,個人の動機を決定づけているものでもあります.
いおりん,未央,田崎,そして逆の意味での千早(あと井持所長もそうかもしれません.それから桃華さんもそうなのかもしれませんが,よく分かりません.彼女を動かすものは何なんでしょう?).
これは通常の個人には理解しがたい,というか頭では理解できても共感はしがたいところであり,それゆえに美希は “信仰” と呼ぶのでしょう.

ついでにもう一つ,事態を引っ掻き回して,この物語を面白いものにしている要因を挙げると,それは少数派および部外者ですね.前述の人たちとか,聖來さんとか.人材の流動性というのはまことに,ものごとを面白くしますなぁ.

さて肝心かなめの事件それ自体ですが(いや私の関心は事件それ自体にはあんまりないですけど!),いおりんたちはどうも道警の連絡の不備に助けられた感がなくもないですね.まあ,それはそれとして,とりあえず今のところはガス中毒かなんかで洞窟の中の三人が逝ってしまわれないことを願っておきましょうか.


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by LIBlog | 2014-09-08 03:45 | 動画サイト関連 | Comments(0)
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