カテゴリ:さいえんす関連( 166 )

肺をつくる

Science 329, 538-541 (2010)

りさーちあーてぃくる. なんと肺を tissue engineering で作ってしまったという論文. 正直言ってここ最近の論文では一番衝撃を受けた. 心臓やすい臓などはできたとしても,肺を作るのはかなり遅れそうだと個人的には思っていたので. これは喫煙者やぜんそく持ちの方には朗報かもしれない. といっても臨床までは少なく見積もってもウン十年はかかりそうだが. コメントあり: Science 329, 520-522 (2010)

ヒトは,ほとんどの臓器において,その一部や全部が失われてしまったら自然に再生することはできない. もし失ってしまったら人工臓器や臓器移植が必要になるわけだが,人工臓器は機能的な制約があり臓器移植は提供者や拒絶反応などさまざまな問題がある. そこで幹細胞を使って臓器そのものをつくってしまおうとする試み,生体工学 (tissue engineering) が注目を集めている.

とはいえ,臓器をつくるというのは非常に困難だ. なぜならどんな種類の臓器でも,たとえば肝臓でも心臓でも目でも,複数の種類の細胞が特定の空間的配置をとって存在し,血管が張り巡らされ,神経も正しく配置され……といった複雑かつ精緻な成り立ちをしているからだ.

ところが,本論文ではラットを使って,驚いたことに短時間ではあるが機能する肺を tissue engineering で作りだすことに成功している. 肺だよ肺! 肺の複雑さを思えばこれは驚きだ.

肺はガス交換のための臓器で,気管から気管支,そして肺胞がそれに続いて空気を取り込んでいる. 肺胞には毛細血管が隣接し,血中のCO2やO2を交換している. 肺胞はひとつの肺に数百万個もあり,すべて広げると表面積は70平方メートルにもなるという. 肺は超絶ミクロに折りたたまれているでっかい臓器なのだ. こんなものをいったいどうやって作ったというのか.

ポイントは細胞の足場 (scaffold) だ. 筆者らはラットから肺を取りだし,洗剤で肺にあるすべての細胞を洗い流して (これにより拒絶反応の問題はかなりクリアされる),細胞外基質 (extracellular matrix, ECM) だけの肺の「抜け殻」をつくった. つぎにこれをバイオリアクターと呼ばれる培養機の中で,血管や肺の細胞とともに培養し,「抜け殻」の足場に細胞が住み着くことを促した. そのようにして一週間ほど培養した新たな肺を,ふたたび片肺を欠くラットに移植したところ2時間弱ほどガス交換の機能を果たしたとのこと.

工夫されているのは,バイオリアクター中でも肺の自然な状態と同じように換気をしつづけたことで,これにより細胞の定着がかなり促進されたという. とはいえ,血管のわずかな穴も肺胞のちいさなすきまも機能上許されないはずなのに,よくぞつくったものだ. しかもヒトの肺でも同じようなアプローチがとれそうなことも示している. さすがに移植まではしていないけれど.

ところで,論文にはどうして2時間弱で機能しなくなるのかについての記載があまりない (血栓ができるらしいことはうかがえるが) のがちょっと不満だな. まああんまり情報を公開したくないのかもしれないけれど.

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by LIBlog | 2010-08-05 21:00 | さいえんす関連 | Comments(0)

AltAnalyzeというソフト

Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 107, 10514-10519 (2010)

エキソンアレイを用いて,未分化な状態である ES細胞と,ビミョーに分化した状態である胚様体 (embryoid body) とで RNA のアイソフォームの状態を比較し,そのうち面白そうないくつかの遺伝子について機能解析している論文. オープンアクセスなので全文に直リンク.

内容はともかく,彼らがアレイデータの解析に使っている AltAnalyzeというフリーのソフト (→http://www.altanalyze.org/) をちょっと記憶にとどめておこうと思いメモ. そもそもこのソフトはマイクロアレイデータの統計的な解析だとか Gene Ontology なんかとデータを結びつけたりするようなことができるらしいのだが,エキソンアレイデータをぶち込むと,アイソフォームごとのアミノ酸配列やドメイン構成の違いだとか,miRNA のターゲット配列の有無がどのように変化するのか,なんかが一望できるような形で出力してくれるようだ. ……つーかまだ試してないので,どういう形で出力されるのか分かってないけど,機会があったらいじってみたいな.

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by LIBlog | 2010-07-28 19:06 | さいえんす関連 | Comments(0)

腸はどのように腹の中におさまっているのか?

Dev. Cell 18, 973-984 (2010)

ゼブラフィッシュで,転写因子Hand2が細胞外基質のリモデリングを介して腸管のルーピングを調節していることを示した論文.

脊椎動物の消化管は,種によって違うけれど,ふつうは身長の何倍も長い. どうやってこれだけ長いものを絡まりもせずにきちんと折りたたんで腹の中に入れているのだろうか.

一般的に,消化管の折りたたみ (gut looping) は左右非対称性の確立という文脈で説明されることが多い. 左右非対称性とは,たとえば心臓が左に寄っていて,肝臓は右に寄っていて……などといった,左右での器官配置の違いである. 左右非対称性の確立に重要な遺伝子や,その遺伝子同士の関係などはいくつか明らかにされており,そういった遺伝子に生まれつき異常があると内臓逆位になったりする. つまり内臓の左右がひっくり返るアレである.

ところで,その左右非対称性の確立に重要な遺伝子ってのは,いったいどういう現象を経て左右非対称な臓器の配置を決めているのだろうか. 本論文によると,消化管の発生では bHLH型の転写因子 Hand2 を介した細胞外基質の左右非対称な再構築が起こっており,それが腸管の折りたたみに重要であるという. データ全体をまとめると hand2-EGFP トランスジェニックフィッシュをつくって bmp -> hand2↑ -> MMP↑ -> laminin↓ -> asymmetric LPM migration -> gut looping という流れを示している (LPM, lateral plate mesoderm; MMP, matrix metalloproteinase).

これ,個体でも一細胞レベルの解像度でイメージングしているのがすばらしい. イメージングの力がこの論文のエッセンスだろうな. もうひとつのエッセンスは遺伝子発現の左右非対称性から臓器の左右非対称性を橋渡しする手掛かりを与えたこと.

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by LIBlog | 2010-07-27 19:52 | さいえんす関連 | Comments(2)

心眼を開くメカニズム

Nature 466, 373-377 (2010)

「盲視」という現象を担う脳の領域は外側膝状体であることを示した論文. 脳科学はぜんぜん分からないのでデータを読むことはできないのだが,以前から盲視ってやつはすごく面白いと思っていたので斜め読み. 日本語の要旨はフリーで読める: 脳�盲視は外側膝状核によって起こる : Abstract : Nature

盲視(blindsight)というのは,目や視神経は無事なのだが大脳皮質の一次視覚野 (→視覚野 - Wikipedia) の損傷により視覚経験に障害をもつ人が,見えていないにもかかわらず見えているような反応を示すこと,と考えればいいかな (→盲視 - Wikipedia). たとえばモニター上の光点の位置を尋ねる (本人に光点は見えていないので,あてずっぽうで答えてもらう) と正解するとか (→ ASCONE2007講義 「盲視が明らかにする"気づき"の脳内情報処理」),向かってきたボールを避けたりとか (→ブラインドサイト(盲視または盲人の視覚)),そういったもの. つまり視覚刺激の脳への入力は複数の場所に行っていて,一次視覚野を経由しないと意識にはのぼらないのだが,無意識の反応の中には一次視覚野を介していないものがあると考えればいいのかな. 盲視も無意識の反応のひとつなのだが,これがどういう経路でどこに入力した視覚刺激によって起こっているのかが分かっていなかったわけだね. で,この論文ではそれを明らかにしたと.

行った実験は盲視と同じ状態を示すマカクザルを使った fMRI (→ fMRI - Wikipedia) と,脳の領域特異的な機能阻害実験. それにより視床の外側膝状体 (→外側膝状体 - Wikipedia) とかいう領域が重要であることが分かったと. ふーん. Wikipediaによると,その外側膝状体とかいう領域は,視覚的注意をある空間に向けるのに重要だという話だから,盲視に見られるような現象もそれで説明できるのかもね.

なんとなくこれを読んでいて,以前どこかで見たイチローの話を思い出した. イチローに限らずスポーツをやってる人から「体が勝手に反応する」という話をよく聞くけど,イチローはとにかく来た球を反応で打って,一塁上でその場面を頭の中で巻き戻しつつ反芻して反省点を探す,とか言っていた (糸井重里との対談だったかも:「イチローに糸井重里が聞く」). ってことはたぶん,バッターボックスの中では視床を経由するような無意識の反応で打って,あとから思い起こす時に大脳の視覚情報を使うのかもなあ. とか素人考えで思ったりして.

「盲視」の話を初めて知ったのは,ラマチャンドランの「脳のなかの幽霊」を読んだ時だったなあ.


この本はもう本当に,めちゃくちゃ面白かった. もうちょっと若いころに読んでいたら,脳研究を志していたかもしれない. ……でも脳の研究者には信じられないほど頭がいい人が多いような気がするので,志さなくて正解だった……かな?

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by LIBlog | 2010-07-15 19:59 | さいえんす関連 | Comments(0)

膜タンパクと分泌タンパク遺伝子のノックアウトマウス・ライブラリー

Nat. Biotechnol. 28, 749-755 (2010)

Resource. マウスで分泌タンパクまたは膜タンパクをコードする遺伝子をゲノムワイドに包括的にノックアウトし,表現型も含めてデータベース化したという話. すっげーな.

ていうか著者らの所属に Lexicon Pharmaceuticals とか Genentech とか企業名が並んでいる. ……なるほどねー,そういうことか.

いまやマウスの遺伝学の進展たるやすごいものがあり,KOMP をはじめとするノックアウトマウスを網羅的につくってしまおうとしているプロジェクトや,トランスポゾンとかウイルスとかで突然変異を導入してミュータジェネシス (→ Insertional mutagenesis - Wikipedia, the free encyclopedia) をやっているプロジェクトが だいぶ前から動いている. おそらくそういう現状を踏まえて,本論文の著者らは,とにかく病気の原因遺伝子だとか創薬のターゲットになりそうな遺伝子だとか,そういうものをとりあえず報告しちゃって特許を押さえようとしたんじゃないかなー,などと本論文の背景を想像してみたりして.

ともあれ筆者らは472個の遺伝子についてノックアウトマウスをつくり,表現型ふくめてデータベース化して公開している (→ こちら). 選んだ 472個 (正確には,選んだのはもっと多くて,ノックアウトマウス作出まで行けたのが472個ってことだが) ってのは,まず 分泌タンパク または 膜タンパク をコードしている遺伝子で,かつ 組織特異的な発現 または 腫瘍で高発現 している遺伝子. いかにも将来おカネになりそうな気配がする遺伝子たちだ.

うん,とはいえ,結果が公開され,望む研究者にはプロダクトが提供されるのであれば,こういうプロジェクトは歓迎すべきことだよな. ゲノムシークエンスと同じく. ただこれ,非公開非提供だったらちょっとなあ. どうなんだろう.

彼らには次に しらみつぶしに全遺伝子ノックアウトとか redundancy のある遺伝子をぜんぶノックアウトとかやってほしいが,そういうのはやらないんだろうな. やっぱりノックアウトで致死の遺伝子のコンディショナルノックアウトとかのほうが面白そうだし.

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by LIBlog | 2010-07-12 20:46 | さいえんす関連 | Comments(0)

有尾両生類の再生能力について考える その5……にはならなかった

有尾両生類の再生について,これまで以下のような記事を書いてきた.

有尾両生類の再生能力について考える その1

有尾両生類の再生能力について考える その2

有尾両生類の再生能力について考える その3

有尾両生類の再生能力について考える その4

んで,その4を中途半端な形で終えた以上,その5があるべきなのだけど,もっか続きを書くモチベーションが絶賛低下中だ.

というのは,四肢じゃなくて内部器官 (internal organs) の再生の方に興味が移りつつあるからなんだけど.

いちおう放り出すのもアレなので,ごく簡単に前回の続きをまとめて書くことにする.

前回の疑問は,どの部分を再生したらいいか あらかじめ決まっているわけではないのに,どうして元通りの形に再生できるのか? というものだった. たとえば肢を,肩から切り落としても,ひじから切り落としても,手首から切り落としても,ちゃんと失われた部分だけが再生する. それはどういう機構によるのか.

ものすごくおおざっぱにまとめると,それは再生芽がもともとの位置を記憶しているからだ,というのが答えになると思われる. 再生芽が,というよりもともとの四肢が三軸,遠近軸・前後軸・背腹軸に沿った位置情報を保持しているために,切り落とされた場所にできた再生芽が,自分がどこから先をつくるべきなのか分かるというわけだ.

どのような形で位置情報が保持されているのか. それは軸によって違うようだ. たとえば遠近軸は ある物質の濃度勾配が成体になっても維持されていて,それが位置情報として読み取られるらしい. また前後軸はエピジェネティックな情報,すなわちクロマチンの修飾状態が異なっており,それが位置情報として読み取られるっぽい.

たとえば哺乳類で脱分化した再生芽をつくることができたとして,それがきちんと元通りの形を再現するためには,発生時に使った機構をきちんと再起動するためのしくみが必要だ. 位置情報の保持についても有尾両生類のやりかたを真似するのか,あるいはべつの機構で胎児のころの仕組みを呼び覚ますのか,むずかしい選択になるのかもしれない.

……といったところで四肢再生の話はモチベーションがふたたび上がるまで無期限中断. 以下,すこしだけ内部器官の再生について話をしたい.

四肢とか目(レンズ)とかの外部器官は,もし失われたとしたら QOL を著しく低下させるが,失血や感染などの影響が大きくなければ命に別状はないことが多い. しかし多くの内部器官はそうではなく,もしひとつの臓器が完全に,あるいは一部でも,失われたとしたら命に関わる事態になることが多い. そういう意味で,内部器官の再生は重要な課題のような気がする.

哺乳類をはじめとする陸生脊椎動物の多くは,肝臓など例外はあるものの,外部器官についても内部器官についても再生する能力が限られている. しかし両生類や魚類などは,外部器官のみならず内部器官についても再生能力が高いことが多い.

たとえば哺乳類では,心筋梗塞などにより心臓の筋肉(心筋)がいったん死んでしまうと再生することができない. 脳梗塞などで脳に損傷を受けた時も同様だ. ところが両生類や魚類では心臓を再生する種が知られている (→ LIBrary : 論文メモ) し,一部両生類では成体の脳すら再生可能だ (→ Dev. Growth Differ. 49, 121-129 (2007)). もちろん損傷時に即死しなければ,の話ではあるけれど.

哺乳類と両生類・魚類の内部器官の再生能力の違いは,何の違いに起因するのだろうか. もし彼らのやり方を学べて,それを哺乳類に適用できるとしたら,それは素敵なことではなかろうか.

……てなことに関心が移りつつあるわけです.

ま,べつに専門家ってわけでもなし,ぼちぼち勝手気ままに文献を見たり,考えたりしていきたいな,というだけの話ではあるんだけど.

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by LIBlog | 2010-07-10 19:40 | さいえんす関連 | Comments(0)

有尾両生類の再生能力について考える その4

前回からひきつづいて,有尾両生類の四肢の再生について考えたい.

有尾両生類の再生能力について考える その1

有尾両生類の再生能力について考える その2

有尾両生類の再生能力について考える その3

さて,首尾よく再生芽が傷口にでき,細胞が増殖し,切り落とされた部分をどんどん増えた細胞が埋めていったとしよう. しかし大きな問題がさらに残されている. もとの組織の形や機能をどうやって再現したらいいか,だ.

腕を,肩の位置から切り落としたとしよう. その先には二の腕があり,ひじがあり,上腕があり,手があり,指がある. それらすべてに特有の骨,軟骨,筋肉,腱,神経,血管,皮膚があり,どれが欠けても元通りの“再生”ができたことにはならないだろう. どうやったらこのような機能的な腕を再生芽からつくりあげることができるのか?

ここですこし寄り道して,四肢の構造を眺めてみたい. 解剖学や形態学では,四肢の構造を三次元の座標の上に置いて表現する. 三次元の座標系はふつう遠近軸,前後軸,背腹軸の三つの軸からなる.
まずは遠近軸に沿って腕の全長を区別する. 腕のつけね側,肩側が近位部,指先側が遠位部になる.
また,前後軸に沿って小指側と親指側を区別する. 小指側がうしろ側,親指側が前側である.
そして背腹軸に沿って手のひら側と手の甲側を区別する. 手の甲側が背側,手のひら側が腹側だ.

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さて,このような三次元空間上の構造を もう一度つくりだすにはどうしたらいいだろう.

思い起こせば,われわれはそもそも胎児のときに,これほど複雑な組織を一からつくりあげているはずである. ということは,そのやり方を再生芽に「思い出させる」ことが,いちばん簡単で効率的なやり方なのではないだろうか.そして実際,このやり方は有尾両生類の四肢の再生で採用されている戦略らしい.

胎児のとき(両生類では卵の中,あるいはオタマジャクシから変態している途中),発生途中の四肢 (肢芽) では,遠近,前後,背腹の軸に沿って,さまざまな遺伝子や物質が異なった発現・局在をしている. そしてその発現にしたがって,各軸上の構造が決定されていく. たとえば遠近軸のレチノイン酸ホックスA(HoxA),前後軸のソニックヘッジホッグ(Shh),背腹軸のウィント(Wnt)などがそうした遺伝子や物質の例だ.

これらの遺伝子等は,いったん四肢が完成したら,ふたたび発生中のような発現をすることはない. それは哺乳類でも有尾両生類でも同様である. しかし有尾両生類の再生中の四肢では,これらの遺伝子の三軸に沿った異なる発現が発生中と同じように再現されるらしい. そしてそれらの遺伝子の発現を乱すと,再生した四肢の形も乱れるという.

ということは,再生芽がいったんできたとしたら,なんとかして発生のあいだで発現していた種々の遺伝子の発現をそのまま再現する方法を見つけてやればいいのではないだろうか.

ところで,四肢の再生での形づくりと遺伝子発現の関係を知る上で,アフリカツメガエルの研究例がとても重要であるように思う.

カエルはいうまでもなくオタマジャクシ幼生が変態してしっぽを失い,四肢を生やして成体になるのだが,じつは変態前のオタマジャクシは有尾両生類なみの再生能力があることが知られている (というより,しっぽを持っている両生類なのだから有尾両生類そのものだ). しかし変態後のカエルは再生能力が非常に限られている. たとえば変態中のオタマジャクシの四肢を切り落としても完全な形で再生するが,いったん変態を終えてしまうと,四肢を切り落としたらスパイク状の突起が傷跡から伸びるだけだ. これはつまり,再生芽はできるが形づくりはうまくできないという,まさにいま考えている問題そのものが生じていることになる.

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アフリカツメガエルを使った研究で,前後軸に沿って異なる発現を示す遺伝子 Shh の発現を調べたものがある. 変態中の四肢切断で生じる再生芽では Shh が前後に異なる発現をしており,変態後の再生芽では Shh の発現が失われているという. そしてまた,アホロートルの再生中の四肢で Shh をカエルのように抑制すると,再生した肢はカエル成体のそれみたいな突起物になってしまうようだ. つまり発生中で形づくりに重要な遺伝子が,再生中でも同じように重要であることがわかる.

となると気になるのは,変態後のカエルでも Shh を再生芽の中で前後に違った発現をむりやり起こさせてやれば,ただの突起ではなく正しい四肢が再生されるかどうか,だ. ……が,たぶん再生されないだろう. Shh だけでなくほかにも多くの遺伝子が三軸に沿った形づくりに必須だからだ. ではそれらすべての発現をむりやり再現したら? ちょっと面白いことになるんじゃないか?

ともあれ,おそらくカエルの変態終了後に「失われるもの」とは,発生の時に形づくりに関係している遺伝子群の発現だろう. ならば,変態中に起こる遺伝子のスイッチオフを逆転させるようなしくみを見つければいいことになる. あるいはイモリとカエルの違いを探せば,その中には遺伝子スイッチをオフにするかしないか決めている何かがあるのではないだろうか.

……さて,これまで四肢の再生では発生と同じ戦略を使っているらしい,ということを見てきた. しかし再生では,発生には存在しない特有の問題がひとつある. どこから再生しなければいけないかが決まっていないということだ.

発生においては,基本的に一から構造をつくりあげるのだから,決まったやりかたをあらかじめプログラミングしておけばいい. 簡単なことではないが,毎回やることが同じ,というのは大きい. しかしたとえば四肢の再生では,どこから腕が切り落とされるのか,あらかじめ分かっているわけではない. ひじの位置から切られているのに手首から先だけをつくってしまっては“再生”とは言えないだろう. この問題はどう解決しているのだろうか.

といったところで,次回に続く. ってオイ,いつまで続くんだこれは. ……こんなはずではなかったのになあ.

引き続きツッコミお待ちしています.

本項の参考文献:

Limb regeneration revisited.
J. Biol. 8, 5 (2009)
Whited. J. L. and Tabin, C. J.

Repatterning in amphibian limb regeneration: A model for study of genetic and epigenetic control of organ regeneration.
Semin. Cell & Dev. Biol. 20, 565-574 (2009)
Yakushiji et al.

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by LIBlog | 2010-07-02 21:23 | さいえんす関連 | Comments(0)

有尾両生類の再生能力について考える その3

有尾両生類の再生能力について考える その1

有尾両生類の再生能力について考える その2

前回からの続き.

有尾両生類には著しい器官再生能力がある.それを哺乳類にも持たせるにはどうしたらいいか.

問題は二つありそうだ.
ひとつは,傷口に再生芽をどうやってつくるか
もうひとつは,もとの形態,機能をどうやって復元するか

本項では,とりあえずひとつめの問題について考えたい. 以下では基本的に有尾両生類の四肢の再生に焦点を絞る.

まずは再生芽ができるための環境要因について. 四肢を切り落とすと,傷口を上皮 (損傷上皮, wound epidermis) が覆い,のちに上皮直下の組織が脱分化する. この過程を眺めるに,「傷を受けたこと」や「損傷上皮ができること」あたりが,再生芽形成すなわち脱分化を促進するようなシグナルを発しているのではないか,と想像される.

実際,「傷を受けたこと」=「出血したこと」は,おそらく脱分化にとって重要である. イモリの筋繊維 (myotube, 最終分化しており多核である) を培養し,そこに血中タンパクであるトロンビン (thrombin,血液の凝固に重要なタンパク質分解酵素) をふりかけると,未分化で単核の筋芽細胞 (myocyte) が出現するという. ということは,出血して血流に組織がさらされることが脱分化を促す要因のひとつである可能性がある.

また損傷上皮の形成もおそらく脱分化に重要だ. 脱分化は基本的に損傷上皮ができた後で起こることが知られている. そして切除後に損傷上皮をはぎとってしまうと,脱分化が起こらず再生芽が形成されないらしい.

つまり組織が損傷を受けること,そして損傷上皮ができること,少なくともこの二つの条件が満たされたときに脱分化,再生芽形成が起こると考えられる. これが再生芽形成を支える環境要因であろう.

……しかし環境もたしかに重要だが,ほんとうに知りたいことは,そのような環境からのシグナルを受けて,実際に細胞の中で何が起こるか,だ. どのような現象が細胞の中で起こって脱分化するのか. その現象を再現することができるのか.

脱分化と聞いて,すぐに思い浮かべるのが iPS細胞 (→ 人工多能性幹細胞 - Wikipedia) だろう. iPS細胞のようなことが再生芽で起こっているのではないだろうか. 答えはおそらくイエスで,イモリのレンズや四肢の再生芽形成過程では,Sox2, Klf4, c-Myc などの「山中因子」の発現が上昇することが確認されている. またゼブラフィッシュのヒレ再生でも似たような遺伝子の発現が上昇するという. そしてこれらの遺伝子の発現を邪魔すると,再生芽形成が阻害されるらしい.
(ならば哺乳類でも,傷口に山中4因子をウイルスベクターででも強引に発現させてやれば……ゲフンゲフン)

しかし,おそらく iPS細胞ほど強烈な脱分化をしなくても,有尾両生類の再生能力はじゅうぶん持たせられるのではないかと思う. Kragl らの報告によると,アホロートルの四肢再生では分化転換 (transdifferentiation) は限定的だという. すなわち,筋肉由来の再生芽は軟骨や腱や表皮にはならず,軟骨は筋肉にはならず,神経は軟骨にはならず……などなど,再生芽は脱分化してはいるが,もともとの組織の「記憶」をある程度保持しているらしいのだ(1)

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したがって,むりやり傷口の組織を未分化な状態に戻さなくても,とにかく細胞周期に入れてしまいさえすれば,ある程度の再生能力を持たせることができるのではないか,と想像できる.

ここで哺乳類の再生モデルを見てみたい. 非常にまれな例だが,あるていど再生芽をつくる能力を持っているマウスの系統,ヒーラー系統 (healer strain) というものが存在する. 彼らはパンチで耳に穴をあけても一カ月ほどで塞いでしまう (そのため耳パンチ穴で個体識別ができない) し,指先くらいならば欠けてしまっても再生することができるという. その再生能力の遺伝的要因はゲノム上の20以上の領域にマップされているようなのだが,そのうち p21 という腫瘍抑制遺伝子で細胞周期のチェックポイント因子として働く遺伝子の重要性が最近 Bedelbaeva らによって示された. ヒーラー系統ではp21の発現がなくなっており,非ヒーラー系統でもp21をノックアウトすることで再生能力が亢進されるというのだ(2)

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というわけで,やはり無理やり組織を脱分化させる必要はそれほどなく,細胞周期のチェックポイントをちょこっと外して,増殖しやすいようにしてしまえば,ある程度の再生能力を得られるようになるのではなかろうか. まあさすがに全身でp21を抑制してしまうのは危ないと思うが,しかし傷口で局所的かつ一時的に抑制するくらいなら行けるんじゃないか?

哺乳類の例をもうひとつ挙げよう. われわれは胎児のときには,あるいは生後しばらくの間は再生能力が高く,成長するに従って徐々に再生能力を失っていく. たとえば新生児は,指先,とくに爪の付け根から先くらいであれば,欠けてしまっても再生することが可能だ. しかし5歳くらいになってしまうと,もうその能力は失われてしまう. このとき何が失われたのだろうか.

指先の再生能力は Msx1 という転写因子と相関しているようだ,という報告がある. Msx1 は両生類の再生にも必須な因子で,哺乳類の新生児では爪の下の細胞で発現していて,生後から徐々にその発現は失われるという. このことから単純に考えれば Msx1 を無理やり傷口で発現させてやれば……などと想像してみるが,さすがにその手の実験はやられていそうだ. たぶん Msx1 だけでは十分でないのだろう. もうすこしべつの因子の探索も必要だろうな,と思う.

なお胎児の再生能力 (fetal healing) については,それはそれで面白そうである.胎児のときは皮膚に大きな傷を受けても跡が残らない (scarless healing) が,大人になると跡が残る (fibrotic healing). この違いは何によるのだろうか? これも機会があれば考えてみたい問題だ.

とまあ,いろいろと勝手気ままな想像をしてきたが,まずはなんとしても再生芽をつくらないことには両生類式の再生は難しいだろう. たぶん今までもたくさんの試行錯誤があったと思うのだが,なんとかうまいことできないかなあ.

また,なんとか再生芽をつくりだせたとしても,もう一つの問題が行く手に立ちはだかっている. もとの組織をどうやって再現するか,だ.

この問題は次回以降に考えていきたい.

引き続きツッコミお待ちしています.

この項の参考文献:

Principles of Development 3rd Edition (Lewis Wolpert) Chapter 13
4th Revised Editionあり)

Regeneration review reprise
Whited, J. L. and Tabin, C. J.
J. Biol. 9, 15 (2010)

(1) Cells keep a memory of their tissue origin during axolotl limb regeneration.
Nature 460, 60-65 (2009)
Kragl et al.
(→ LIBrary : 九十三日目 論文メモ

(2) Lack of p21 expression links cell cycle control and appendage regeneration in mice.
Proc. Natl. Acad. Sci. USA 15, 5845-5850 (2010)
Bedelbaeva et al.
(→ LIBrary : p21を抑えることで再生能力が強くなる

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by LIBlog | 2010-06-29 19:41 | さいえんす関連 | Comments(0)

有尾両生類の再生能力について考える その2

有尾両生類の再生能力について考える その1 からの続き.

有尾両生類の再生の場ではなにが起こっており,なにがわれわれ哺乳類とは違っているのだろうか.

哺乳類からの類推で考えると,傷口の近くにある組織幹細胞 (tissue stem cells) や前駆細胞 (progenitor cells) が活発に分裂すれば再生が起こりそうな気がする. われわれの創傷治癒,あるいは日常的な細胞の代謝は基本的に幹細胞に支えられているから,それを少し加速させてやるようなイメージだ. プラナリアは幹細胞を利用した再生をする動物で,奴らは全身に neoblast と呼ばれる幹細胞を維持している. Neoblast の数は全細胞数の 20~30% にものぼるという.

ところが有尾両生類の再生は幹細胞システムとは別のシステムが働いているらしい. 奴らは,傷口近くの細胞が脱分化して増殖し,のちに再び分化するという道をたどるのだ. ちなみにプラナリアでも,幹細胞システムだけではなくて,傷口近くでは脱分化も起こっているという.

つまり動物界の再生様式には,プラナリア的な幹細胞ベースの再生と,イモリ的な脱分化ベースの再生のふたつがある.
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哺乳類では,日常的に起こっているのは幹細胞ベースの代謝や創傷治癒で,脱分化ベースの再生はわずかに肝臓で見られるものが唯一それに近いものだろう (とはいえ肝臓の再生についてはほんとうに脱分化ベースなのか疑問とする説もあるようだ). さて,どちらを利用するのがよいだろうか.

iPS細胞 (→ 人工多能性幹細胞 - Wikipedia) の発見(発明?)以来,幹細胞ベースの再生医療は注目のまとである. しかし幹細胞を利用した組織・器官の再生には大きな壁が存在するように思われる. それは形態形成 (morphogenesis) だ.

たとえばI型糖尿病のβ細胞やパーキンソン病のドーパミンニューロンのように,あるひとつの細胞だけが死んでいくような病気にとっては,幹細胞による再生医療は非常に効果的だろう. 死んでいくひとつの細胞を幹細胞からつくりだせばいいからだ.

だが,たとえばすい臓や脳そのもの,あるいは腕や足でもいい,組織や臓器をまるごと再生させたい場合にはどうだろうか. すい臓にはβ細胞だけでなく,α細胞もγ細胞も外分泌細胞も血管も導管も細胞外基質も存在する.腕だったら,皮膚や筋肉,軟骨,骨,筋肉,腱などさまざまな組織があり,また手のひら,指,うで,ひじ,といったマクロな構造もある. 神経や血管も通わせなければいけない. このすべてを幹細胞からつくりだすのはとても困難なことなのではないだろうか.

……困難ではあるが,可能性はあるようだ. 私のわずかな知識では,東京女子医大の岡野教授らの細胞シートを利用した三次元的な組織構築法など,すでに可能性があるどころの話ではないような状況にあることもたしかだ.

しかし,傷口の細胞をそのまま再び増殖させて元に戻すイモリ式の再生は,幹細胞からスタートして組織を丸ごとつくっていくよりも,形態形成を正しく行う上では有利である気がして仕方がない.

さて,では有尾両生類の再生の場では何が起こっているのか.

イモリの再生を例にとってみよう. イモリではレンズと四肢の再生がもっともよく研究されているようだ. レンズ再生でも非常に興味深い現象が多くみられるのだが,ここでは四肢の再生に絞る.

冒頭にも書いたが,ふたたび再生の場で起こることを概観すると以下のようになるだろう.
イモリの腕を二の腕あたりから切り落とす. すると,傷口の表面を表皮細胞が移動して覆う. 覆われた表皮の下に再生芽(blastema)ができる.再生芽は脱分化 (dedifferentiation) した細胞のかたまりで,おもに真皮 (dermis) 由来だが軟骨や筋肉に由来する細胞も含まれる.こいつらはどんどん増殖して伸長していき,のちに再び軟骨や筋肉に分化する. これが大まかな再生の道すじだ.

つまり問題は大きく二つに分けられそうだ.まずは再生芽をどうやってつくるか.そして元の組織をどうやって再現するか. この二つをクリアすれば,哺乳類でも組織や器官を再生できるのではなかろうか. ……さあ,どうやってこの二つの問題をクリアしよう.

といったところで次回に続く. ……って,ほんとうに続くのか?

引き続きツッコミお待ちしています.

この項の参考文献:

Principles of Development 3rd Edition (Lewis Wolpert) Chapter 13
4th Revised Editionあり)

ベーシックマスター発生生物学 (東中川 徹 ほか 編著) 第五章

Regeneration review reprise
Whited, J. L. and Tabin, C. J.
J. Biol. 9, 15 (2010)

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by LIBlog | 2010-06-27 16:16 | さいえんす関連 | Comments(2)

有尾両生類の再生能力について考える その1

このところ,有尾両生類の再生能力が気になっている. やつらの再生能力を,われわれの体にも持たせることができないだろうか?

われわれ哺乳類の再生能力はきわめて限定的なものだ. もちろん哺乳類もちょっとしたキズを治すことはできる (wound healing, 創傷治癒) が,たとえば臓器や器官そのもの,もしくはその大部分を失ってしまったら,もう再生することはできない. たとえ指一本であっても再生することは不可能だ (数少ない例外は肝臓).

いっぽうイモリやアホロートル,あるいはオタマジャクシ幼生などの有尾両生類の再生能力はすさまじく,指どころか四肢そのものや,各種臓器,目,そしてなんとまでも,大部分を失った状態から再生することができる (再生した脳では記憶はどうなっているんだろう?). 奴らのこの再生能力にひそむメカニズムの詳細を解明し,われわれにも同じような能力を持たせることができたら,それは素敵なことなのではなかろうか.

有尾両生類の再生について考える前に,まずは再生能力の生物種間での違いについて眺めてみたい. 有尾両生類,あるいはわれわれ哺乳類の再生能力は前述のとおりである. では他の生物ではどうだろうか.

バクテリアや酵母など単細胞生物は除外して考えると,植物は多細胞生物の中ではおそらくもっとも高い再生能力を持つのではないだろうか. ものによってはたったひとつの細胞から全身を再構築できるのだから,これはほとんど他に類を見ない再生能力だ. しかしさすがに植物と哺乳類では離れすぎていて,その再生戦略をマネできる可能性は低いのではないかという気がしてしまう.

動物界に目を向ければ,ヒドラやヒトデ,あるいはプラナリアなどが非常に強い再生能力を示すことに気づくだろう. たとえば奴らの体を二つに切り分けると,どちらの小片からも完全な個体ができる. これは有尾両生類にもない能力だ. 有尾両生類では,たとえば腕を切り落とせば残った体から腕を再生できるが,切り落とした腕の方から全身ができたりはしないからだ. プラナリアなどに見られる全身再構築能力を形態調節 (morphallaxis) といい,イモリなどに見られる器官再構築能力を付加形成 (epimorphosis) という.

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ちなみに,棘皮動物(ヒトデとか)や扁形動物(プラナリアとか)のほうが有尾両生類(イモリとか)よりも再生能力が高いことは,かならずしも「からだのつくりが単純な動物は再生能力が高い」ということを意味しない. それに近隣の種であっても再生能力に著しい差がある例もある. たとえば線虫やヒルは比較的単純な体をもつが,ほとんど再生能力はない. ところがヒルと同じ環形動物のミミズは再生能力が高かったりもする.

さて話を戻して,もしわれわれにこのような能力を持たせられるとしたら,形態調節と付加形成,どちらの能力が望ましいだろう. ……それはやはり,プラナリア型の形態調節ではなく,イモリ型の付加形成なのではないだろうか. 腕を再生できるのはいいが,切れた腕の方から人そのものができたりしたら,ちょっとアレな気がするしねえ.

有尾両生類が私の中でアツいのは,以上のような理由による. 奴らは哺乳類と同じ脊椎動物で,しかも望ましい程度の再生能力の持ち主だからだ.

有尾両生類の再生の秘密は何だろうか. イモリやアホロートルの腕を切除したり,レンズを取り去ったりしたら,その場では何が起こるのだろうか. われわれ哺乳類ではなぜ同じことが起こらないのだろうか. そしてどうしたら,哺乳類でも同じようなことが起こせるのだろうか.

……といったところで力尽きたので,次回に続く. ……飽きなければ.

なお,私はこの分野に関しては完全に素人です. 記事の内容を鵜呑みにされないように.
それからツッコミ大歓迎. 専門家さんからでも,非専門家さんからでも.

ここまでの参考文献:

エッセンシャル発生生物学 (Jonathan Slack 著,大隅 典子 訳) Chapter 20
いまは改訂第二版が出ているようです.

Principles of Development 3rd Edition (Lewis Wolpert) Chapter 13
こちらも4th Revised Editionが出ているようです.

Evolution of animal regeneration: re-emergence of a field
Bely, A. E. and Nyberg, K. G.
Trends Ecol. Evol. 25, 161-170 (2010)

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by LIBlog | 2010-06-26 18:43 | さいえんす関連 | Comments(0)