Cell 138, 722-737 (2009).内容はそれほど関心がないのだが,PiggyBac トランスポゾンを使ったトランスジェネシスが面白い.孫引きで PNAS 105, 9290-9295 (2008) が引かれている…が結果はともかくイントロを少し.哺乳類細胞でも飛ぶことができる DNA トランスポゾンとして,サカナ由来の Sleeping Beauty と,昆虫由来の PiggyBac がある.前者はおもに germline mutagenesis において mutagen として,後者は同じく germline mutagen として使われている.ただ後者はトランスジェネシスにも使えそうだということで,Cell のペーパーではトランスポゾン+セレクション遺伝子+トランスジーンというベクターと,pGAGGS - トランスポザーゼっていうベクターを ES にコトランスフェクションしている.要はトランスジーンがゲノムにインテグレートされる効率を上げているわけだね.DNA トランスポゾンはカットアンドペーストなので動いた後には残らないことも重要.Development 136, 1063-1069 (2009) も同様のシステムを使っているな.
あ,ウェブで読める日本語文献があった.小島生物学御研究室→トランスポゾン→哺乳類におけるトランスポゾンの利用. Dev. Cell 17, 365-376 (2009).原腸陥入期には,全胚葉共通の前駆細胞から外胚葉,中胚葉,内胚葉が分かれてきて,それから外胚葉は神経および表皮に,内胚葉は消化管上皮に,中胚葉はその間を埋める組織にそれぞれなるってのが一般的な理解.でもマウスではどうやら原腸陥入期のかなり後の方まで神経と中胚葉(!)に共通の前駆細胞が残っているかもしれんという報告.話としてはセンセーショナルなんだけど,でもこれ,示し方が難しいんだよなー.ROSA26 locus に nlaacZ っていう,それ自体は lacZ 活性がないんだけど,ある確率で homologous recombination が起こって lacZ が発現するっつートランスジェニックでクローナルな細胞系譜追跡をやってるんだけど.いまいち説得されない.や,単にデータ解釈が難しいだけなんだけどさ.
by LIBlog
| 2009-09-16 16:55
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