NewScientistのこの記事はなかなか示唆に富んでいて面白い.
Murderer with 'aggression genes' gets sentence cut まあこれ自体はNatureNewsのこの記事を平易にしたものなんだけど.内容を要約すると: イタリアで殺人犯が攻撃性に関連する遺伝子に変異を持っていたことを理由に,判決で出された懲役9年2か月から一年減刑することを求めた.しかし法学者はこの請求に疑義を呈する.遺伝子は行動する傾向,行動しやすさに影響を与えるだけで,行動を決定するわけではないのだ.刑事訴訟では,究極的には「なぜその行動(犯罪行為)をとったか」だけが問われる.遺伝子はそこには関係ないからだ.そしてさらに別の専門家は,今後たとえ遺伝子なんかが行動にどれだけ影響を与えるかが判明したとしても,刑事裁判では遺伝子のことが考慮されることはないだろう,と言う.遺伝性の因子なんかが暴力行為に影響することは,すでに家系追跡や一卵性双生児による研究から明らかになっている.しかしそうであっても,行為に伴う責任(responsibility,“作為”)という概念は少しもゆるがないのだ. …ちょっと前に,人生が「成功」するかどうかは4歳の時点で予測可能だという話に衝撃を受けた(これね). 今回の話も合わせて考えると,人生で成功するか失敗するかは,私が思っていたよりもずっと生まれによって決まってしまう度合いが高い.そして,そうであることが明らかになったとしても,社会は何も変わらないんだということ. いや,これはなかなか考えさせられる. …. 以下,論文メモ Genes & Dev. 23, 2478-2483 (2009).トランスポゾンである PiggyBac 由来のトランスポザーゼが,ゾウリムシの大核(macronucleus, MAC)で性周期中に行われるゲノム再編成に必須だという.ゾウリムシのそれを MAC にちなんで piggyMac と呼んでる. Genes & Dev. 23, 2507-2520 (2009).H3K9 メチルトランスフェラーゼである Eset が Oct4 下流で働き,Cdx2 発現の抑制,すなわち内部細胞塊(inner cell mass, ICM)からの栄養外胚葉(trophectoderm, TE)への分化抑制に必要.実際には Cdx2 だけじゃないけど.H3K9me3 まで行く.使っているのはES細胞の系と胚の両方.
by LIBlog
| 2009-11-06 18:54
| さいえんす関連
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