前記事の続きを.
マイリスト ぷよm@s‐ニコニコ動画(ββ) 前回は,突出した動機を持つキャラクターは,ものすごい勢いで成長するのだ,という話をした. 美希と千早は,最初から動機がずば抜けて強く,そして物語全体を通してまったくそれが動かない.そしてそれ以外の面々は,その様子を見て,動機そのものが動かされていく. 余談だが,美希も千早も,どちらも「人の心を動かそう」と思って行動してはいないことに注意したい.むしろ動機の根源は,どちらも利己的である.二人とも自分が強くなることしか考えていない. さて話を戻して,ぷよm@sでは,どのように人の心が動かされ,動機を与えられ,練習に駆り立てられるようになるのだろうか. 前回,ぷよぷよをプレイする動機は「楽しさ」と「勝つこと」の二つに分けられるという話をした.美希は「楽しむ」ことに,千早は「勝つ」ことに極端に振れているけれど,他のキャラクターにとってはこの二つは重なり合うもので,どちらに力点を置くかがキャラクターごとに違う,と. 初回からpart14までに,あきらかにぷよぷよを練習するモチベーションが急上昇しているキャラクターは,真,亜美真美,春香の4人だろう. そして,ぷよぷよ自体に偏っている真は,ぷよぷよ自体に特化している美希によって動機を与えられる. 「背筋が凍るほど強かったよ、美希は。」 そしてぷよぷよの結果に偏っている春香,亜美真美は,ぷよぷよの結果に特化している千早によって動機を与えられる. 「千早お姉ちゃん負けたけど、ピヨちゃんも不沈艦じゃないのは充分わかったよ!」 要は,視聴者である私だって,美希と千早に心を動かされているわけだ.その私の心をそのまま映し出しているのが,二人のまわりにいるキャラクターなのである. …また話がちょっとズレるが,小鳥さんは面白い位置にいる. だから,ぷよぷよ自体への興味が強すぎる美希に影響されたときは,思わず結果の方がどうでもよくなってしまう.
閑話休題. そうやってキャラクターの「動機」が動かされる場面を見ていると,やはり思う. 主人公が主人公たるには,成長が必要だ. 多くの物語で,主人公が何かの動機を得るパターンは二つあると思われる. ジャンプ系列で例を出すと,『ONE PIECE』や『HUNTER×HUNTER』なんかは前者で,『ヒカルの碁』や『SLAM DUNK』なんかは後者に分類できる…かな. ぷよm@s は,第一部から二部までは前者の物語だった. さてさて.ここまでずいぶん長いこと,美希と千早のどこがすばらしいかを語ってきた. 私は,ぷよm@s については「出来がいい」「面白い」というだけで語り終えたくない.私にとって ぷよm@s は特別な作品なのである. これまでの人生の中で見てきたいろいろな物語を振り返ってみると,他のどれにもましてハマった特別の作品というのがいくつか思い当たる.どっぷりとその作品世界に入り込み,その後も折に触れてよみかえすような作品.たぶん誰でも,そういう特別な作品はあるんじゃないだろうか. そういう作品には,その人の心の琴線に触れる何かがあるはずだ.その人が抱えてる問題,悩み,夢,あこがれ…,そういうものにシンクロするようなものが.作品自体の出来のよさ,客観的な評価とは何か別のところに. 私にとっては,ぷよm@sは,そしてその中でも美希と千早は,自分の中に特別に反応する部分があった.だからこそ ぷよm@s は,特別な物語の一つなのだ. でも,それはなぜだろう.美希と千早に特に思い入れる理由とはなんだろう. (…ということを語りたいのですが,以下は主観爆発かつ自分語りです.そういうのを不愉快に思われる方は,以下はお読みにならないようお願いします.) ──────────────────── 美希や千早に,私が特別に思い入れる理由とは,なんなのだろう. ふだん私は,まあふつうに仕事をしてる. いやまあ,なぜって給料もらって生活していくためなんだけどさ.それにしたって自分のしたことが無駄なことだなんて思うのはイヤなものじゃないか. いや,つーかさ,みんなそうじゃない? ……. でもねえ,ごくまれに,そんなつまらない作業の果てに,すごい興奮を味わうことがある.
それじゃあ,天才ではないわれわれは,ごくたまにある興奮を味わうためだけに,ムダな作業を積み重ねていかなきゃいけないのか? …. 実はそうでもないんだな,これが. 千早は,最初にこう言う. …. ……. これは単なる言葉だけのお説教ではない.ぷよm@s という物語は,これがホントに実感として伝わるようにできてる. そう,ゴミを作り出す作業の中で,ゴミじゃないものが自分に残るのだ. たぶんそれは,最初に手に入れたいと思っていたものとはぜんぜん違うものだろう.でも,これだけ一生懸命,これほど真剣に,こんなに夢中で何かに取り組んだ後ならば,何かが残るのだ.何かを手に入れることができるのだ. 千早は,もしかしたら今後も小鳥さんに勝つことはできないかもしれない.それどころか,対戦することすら叶わなくなってしまうかもしれない. そうじゃないんだ. …. そう,無駄なんかじゃないんだ.だから私は千早のようにがんばりたい. …この千早の姿を見て,自分に重ねて,感動せずにいられるはずがない. …. さあ,もうすぐ第三部が幕をあける. なんとも嬉しいことじゃないか.この世界に浸っていられるときは,まだまだ続くのだ.
by LIBlog
| 2009-11-26 22:48
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