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仲野えみこさんの「帝の至宝」 香蘭かわいいよ香蘭

仲野えみこさん「帝の至宝」. 最近のお気に入り作品.


既刊は2巻までだね. 続きが待ち遠しいなあ.

作品舞台は中世の中国みたいな雰囲気. 村医者をしているじっちゃんのもとで育ったヒロイン・香蘭 (こうらん) が偶然助けた美形の青年・志季 (しき). じつは彼は晶王朝の第一皇子だった. やがて皇位についた志季のもとへ,香蘭は平民ながら通うことを許されたのだった…….

ってな感じで,まあベタに王子様に優しくされるおっちょこちょいなヒロインを描いている作品なんだけど,この子がまた可愛いんだこれが. 18歳のはずなんだけどどう見てもローティーンくらいの幼い見た目の子がちょこちょことそこらじゅうを走り回って,くるくる表情を変えて……. 志季に恋してることを自覚してからの恥じらいもまたカワイイ.

ただね,この作品は単にカワイイ香蘭だとかかっこいい志季とかを眺めていても楽しいんだけど,物語もけっこう熱血でいい感じだ. 1巻に収録されている読み切り「魔女にうさぎの人形を」でもメインテーマになっていることなんだけど,まわりからのけものにされたり,厄介者扱いされている人の寂しさだとか,身分や偏見の壁を乗り越えていこうと頑張る人の姿だとか,仲野さんはけっこうきちんと描いてる. 舞台設定もリアリティがあって,ちゃんと作品の中に社会があって,集団が動いているイメージが湧く.

そのうえで,「帝の至宝」では,読み切りの「魔女に……」で飛ばされてしまったけっこう大事な要素が描かれるかもしれない,とちょっと期待していることがある. それは 「身分制度の上に成り立っているはずの領主(王)がどうやって身分制度そのものの垣根を取り払っていけるのか」 ということ. 香蘭と志季の恋愛の軸にからめて,もう一つの軸としてそんな感じの物語を展開していってくれたら嬉しいなー. そう,イメージとしては昔,樹なつみさんの「花咲ける青少年」で,花鹿と立人にメインの恋愛ものを演じさせつつ,ルマティたちを中心に政治劇を演じさせたような感じで.

ま,でも,そうならなくても高麗が自在に走り回ったり,顔を赤らめたりしている姿を見られるだけでも私は幸せなのだ. ツリ目のちっちゃい女の子最高!

by LIBlog | 2010-09-23 21:08 | マンガ・本
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