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「星は歌う」と「惑星のさみだれ」を読んだ

最近完結した,高屋奈月先生の「星は歌う」と,水上悟志先生の「惑星のさみだれ」を全巻まとめ読みした. 7時間くらいかかった. どちらもとても面白かった.

「星は歌う」は,しかしヒロインが可哀想すぎてゴメンナサイと頭を下げたくなってしまう. フルバのときも読みながら申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまっていた. ま,でもそのぶん,まあ最後の最後のホントに最後になって,良かったねという気持ちになれるんだけど.

「惑星のさみだれ」 (一発変換はさすがに無理か.「とある科学の超電磁砲」は一発変換してくれるんだが) は,最初はキャラクターになかなか共感できなかったけど,クライマックスの盛り上がりは完全にしかも全員に共感,というか感情移入しまくりで超感動してた.

最初,キャラクターに共感できなかったってのは,主人公についてもそうだし,ヒロインについてもそうだった. 地球を自らの手でぶち壊そうとするヒロイン,それに付き従う主人公. しかもほぼ初対面で意気投合(?)してるもんだから,読みながら頭の中にクエスチョンマークがいっぱい出てしまった.

のちに彼ら彼女らがどうしてそういう考えを持つに至ったのかについて,生い立ちの部分で説明がされるのだけど,これについても私自身はそういう育ち方をしなかったせいか,理解はできても共感するところまではいかなかった.

それよりも,むしろ志半ばで倒れる仲間たちや,合流時点ですでに大人な仲間たちに対しては共感ができた,というかカッコイイ! と思えた. 心の底から大人なわけではないけれど,子どもが見ているから大人として振舞わなきゃいけないだろ,という姿勢を,わざわざ言明することもなく自然にそうできている人たちがいたりするわけだからねえ. それはもうりっぱな大人としか言いようがないわけで. カッコイイよこいつら. 主人公やヒロインより.

……でも,クライマックスに至ってようやく,と言っていいだろうか,主人公とヒロインの素晴らしさに心が震えた. 彼女を止めるのはぼくしかいない,と立ち向かう彼には,私を止めてみろと彼に言い放つ彼女には,感情移入しまくりだった. だって,彼がどうしてそう思うのか,彼女がどうしてそう思うのかは,今度は私にも分かるから. 今までの戦いの過程すべてがあったから,彼や彼女は最初とは180度ひっくりかえった望みを抱くことになったという,そのことが手に取るようにわかるから. 私自身も,いっしょにその過程を見守ってきたから.

よかった,共感できないからと途中で読むのを止めたりせずに. 一気読みしてよかった. じつに素晴らしい作品だった.

by LIBlog | 2011-05-06 20:28 | マンガ・本
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